宇山眼科ニュース（平成30年　春号）｜西宮市の眼科　『宇山眼科』　西宮駅より徒歩5分。

結膜炎と聞くと、「伝染る！」と一般に思われているようです。確かに極めて感染力が強く、患者さんが来院されたら細心の注意をして周りの患者さんや医療スタッフへの感染を防がないといけない種類のものはありますが、カルテの病名に「結膜炎」と記す患者さんの中に、そのような患者さんは実はごく一部です。

周囲への感染に注意しないといけないのは、主にウイルス性、中でもアデノウイルスによるものです。典型的なものは診断は検査キットなどもありますから難しくないのですが、発症初期や軽症例ではなかなか難しく、「疑わしきは罰す」という原則で、手洗いの励行やタオルの家族内共用の禁止などを指示したうえで点眼を処方していますが、実はアデノウイルス結膜炎によく効く点眼はありません。２～３日で抗生物質の点眼が効けば、逆に疑いが晴れる、ということになります。

他にも２，３、感染予防に気を使わないといけないものがありますが頻度は少なく、大多数の結膜炎は、「伝染らない」ものです。代表はアレルギー性の結膜炎ですが、意外に多いと感じるのが、加齢のために目の表面を守る機能の衰えとともにおこる慢性の結膜炎です。一般にはこれはドライアイなどの病名で治療されることが多いのですが、「結膜炎」としての側面を念頭におくことで治療しやすくなるケースがあるように私は感じています。充血、眼脂（目やに）、異物感などの症状のある方はご相談ください。